万葉遺跡 石田の杜(いわたのもり・京都府京都市伏見区石田森西町)
地下鉄石田駅を降りて、南西直ぐの場所に石田の杜があります。この辺りは万葉の昔、石田の森といわれる交通の難所であったため、石田の神に旅の安全を祈った場所です。
「万歳(よろずよ)に あり通はむと山科の 石田の杜のすめ神に 幣帛(ぬさ)取り向けて われは越え行く相坂山を」万葉集・巻13-3236
現在この地は、石田(いしだ)ですが、かつては”いわた”と呼ばれていました。石田の杜には、天穂日命神社(あめのほひみことじんじゃ)があります。
「当社は延喜式神名帳に載る天穂日命神社に比定されており、天穂日命を祭る。現在の本殿は天明3年(1783・江戸中期)の造営で、造営当時は天照大神と日吉山王を祭り、田中神社と呼ばれていた。・・・」(立て札より)
写真左が天穂日命神社の本殿です。また神社入り口の石碑には、石田の杜に関する歌が刻まれています。
「山科の 石田の小野の ははそ原 見つつか君が 山道越ゆらむ」石碑右・藤原宇合・万葉集巻9-1730
「ひぐらしの 涙やよそに 余るらん 秋と石田の 森の下風」石碑左・順徳院の歌碑