御香宮神社(京都府京都市伏見区御香宮門前町)にある伏見の名水「御香水」
貞観4年(863)、境内から水が湧き出し、この水を飲むと病気がたちまち治ったと言われたことより、清和天皇から「御香水」の名を賜りました。
御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)は、室町から江戸にかけて天皇に仕える代々の女官達がつけた当番制の日記ですが、ここに御香水と称される聖水の言葉があり、女官達は、伏見の御香水の月参りを欠かさなかったと言われています・・・
<瀕死の猿曳きの逸話>
「一人の猿曳きが、御香宮にやって来たが、飢えと疲れで、もはや息も絶えようとしていた。それを見ていた猿は、この宮にあった水を猿曳きの口に入れたという。するとその露が胸に落ちて素晴らしい味と香りに感じら、猿曳きは、すっかり元気を取戻したという。(京童跡追 巻六)」 京都の伝説(淡交社)より抜粋
※ 京童跡追(きょうわらべあとおい・京童の続編)は、寛文7年(1667)中川喜雲が記した名所案内記