京阪宇治線「観月橋駅」の南を流れる宇治川に架かる橋が観月橋です。(京都府京都市伏見区豊後橋町)
観月橋は、もともと豊後橋(ぶんごばし)と呼ばれ、京都と奈良を結んでいた大和街道を伏見の城下町につなぐため、豊臣秀吉が豊後国・大友巍統(おおともよしむね)に命じ、架橋させた橋です。桂橋、指月橋などとも呼ばれていました。
観月橋の辺りは、平安時代より、指月の森と言われた景勝地で、昭和初期まであった巨椋池(おぐらいけ)の水面に映る月を眺めた月の名所です。指月は「四月(しげつ)」のことで、ここから眺める月が宇治川の浅瀬に浮かんで、空の月、川の月、池の月、盃の月を同時に見ることが出来たと言われています。
小瀬 甫庵(おぜ ほあん)の「太閤記」では、この付近の景色の優れている様子が書かれています。
「平等院扇の芝、塔之嶋、山吹瀬、宇治おちかた、うぢの蔵松、真木の釣月、ふしみの指月、其景いづれかましおとりせる」