はねず踊りと今様・隨心院(京都府京都市山科区小野御霊町)
随心院では 毎年3月最終の日曜日、はねず踊りが行なわれます。はねず(唐棣花)とは、薄紅色のことですが、隨心院門跡の紅梅は、古くから「はねず」の名前で親しまれていました。
はねず踊りは、隨心院に伝わる小野小町の伝説・百夜通い(ももよがよい)がもとになっており、晩年小町は、「はねず」の咲く頃、里の子供たちと楽しい日々を過ごしたと言われています。
里の子供たちが家々を訪ねて門内の庭で踊っていたとされる「はねず踊り」ですが、梅の花枝をさした編み笠をかぶり、薄紅色(うすべに色)の小袖をまとった可愛い少女たちが、童歌に合わせて踊ります・・・
♪ あーりゃ これ これ
これは楽しや 小野のお寺の 踊りでござる
はねず踊りと 申してござる・・・
小野のはねずは 紅梅でござる ♪
写真右は、はねず踊りの後に行なわれた白拍子による今様の奉納の様子です。
※ 白拍子(しらびょうし)とは、平安時代末期~室町時代に流行した歌舞の一つで、今様などの歌舞を、男装の遊女が即興で演じるものです。
(2013/3/31投稿)