長明方丈石(京都府京都市伏見区日野船尾町)
長明方丈石は、法界寺の東、日野町の山裾にある京都市日野野外活動施設より、山道を300mほど入った場所にあります。右の写真は、方丈石に至る山道途中の道標です。
方丈の庵跡の案内版では、「方丈石は、この下の巨石と云われる。ここは、鴨長明が方一丈(3メートル強)の小庵を営み「方丈記」を著した場所と伝えられている。・・・(略)」と記載されています。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」
かの有名な、鴨長明の方丈記の書き出だし部分ですが、この「行く川のながれ」は、鴨川のことです。
方丈記は、鴨長明(1155~1216)による鎌倉時代の随筆であり、徒然草、枕草子と合わせて「日本三大随筆」と呼ばれています。晩年、鴨長明は日野山に方一丈の小庵を営み、庵内から当時の世間の様子を観察し、もののはかなさや人は如何に生きるべきかなどをこの方丈記に書き記しました。
冬はかなり寒く、夏になると虫などが結構多かったに違いありません・・・ (´・`)
○下鴨神社・方丈庵
上の写真右は、当時の「方丈庵」を現代風に再現したもので、下鴨神社(賀茂御祖神社・京都府京都市左京区下鴨泉川町)の摂社である河合神社にあります。
※ 鴨長明は、久寿2年(1155)下鴨神社の社家の子として生まれており、下鴨神社は、鴨長明ゆかりの社です。下鴨神社では、昨年「鴨長明『方丈記』と賀茂御祖神社式年遷宮資料展」などが行なわれました。